車旅 in 南アメリカ

南米でバンを購入!2017年7月から6ヶ月、チリ、ボリビア、ペルー、アルゼンチンを車中泊しながら巡った旅の記録です。

砂漠の真ん中で車が動かなくなると人はどうするか

前回記事、ボリビアのカスタムで無事に入国手続きを終え、次の目的地ラグーナ・コロラダに向かう日の夜からの話です。 

気温と標高のせいで「エンジンかかりにくい病」を発症中のデリカさん・・・

例のアプリ『iOverlander』もチェックしながら、風向き・日の出の方向・他の車が通る場所かどうか(万が一のため)を条件に、今晩のキャンプ場所探しです。

 

アプリ上のコメントに “谷へ降りて行くと風よけに最適” と書かれたスポットを見つけた私たちは、なんとか日没までに車の停車位置を決めて落ち着くべく、急いでその場所へ向かいました。メインの道からはずれて、崖のふもと部分に下って行くような地形の場所で、長く続く大きな峡谷は、見つけるのにそれほど苦労はしませんでした。

そして!ラッキーなことに、遠くのほうに1台の大きなキャンピングカーが停まっているのが見えました!ワイルドキャンプ(完全に自然の中でのキャンプ)の場合、いつもは先着がいると少し気を使うのですが、今日はその存在がとても心強く、ここに泊まることに決めました。日の出の方向に車を向けて駐車します(いち早くエンジンに太陽が当たるように)。

 

もちろんその日も何度か起きてエンジンをかけます。

 

しかし次の朝・・・

 

エンジン、かかりませんでした T T

 

実は起きる回数を2時間毎から少し伸ばしてしまったのがいけなかったようです。。。

ボンネットを開けて太陽光が直接エンジンに当たるようにし、更に太陽の動きに合わせて人力で車体を押して動かしました(笑)ギアを「N」(ニュートラル)に入れ、2人の全体重をかけてやっと少し動くような重さです。エンジンを触って確かめますが、太陽光だけでは冷え切った鉄はなかなか暖まりません。そこでなんとBBQ用の木炭で火をおこし、炭火で車体の下からエンジンを直接温める作戦に出ました(笑)必死です。

 

気が付くと、お昼ごろになっても四苦八苦していた私たちのほうへ、あの遠くに停まっていたキャンピングカーが向かって来ました。あちらもエンジンが温まるのを待っての出発だったようです。すかさず近寄って行くと、窓を開けて挨拶を返してくれました!私たちよりだいぶ長くバンで旅をされている、スイス人のご年配のカップルでした。

状況を話すと、どこか車のメンテナンスができるようなところまで車を引っ張って行ってあげようか、という提案をしてくれました!T T

またも例のアプリで、そこから5、6キロ離れたところに “タイヤ修理店” なるものがあるのを発見!旦那さまのほうが早速、素晴らしい手際でけん引用のロープをセットしてくれます。

1台の車でもガタガタで大変な道を、もう1台車を引っ張って走れるんだろうか・・・とかなり心配でしたが、ここに取り残されてしまうことを考えると、もう引っ張ってくださるならありがたく引っ張っていただこう!!という気になりました。

ハンドル操作とブレーキだけお願いね、と言われ、早速出発です。

ガタガタの不安定な道のせいで、2台とも横転してしまうのではないか・・・と、とても怖かったですが、大きなキャンピングカーの馬力には感動しました。彼もうまくハンドル操作をしてくれたんだと思います。(わたしはできない。。。)

 

とても長い道のりに感じましたが、建物が少し集まる集落に到着。車を見てくれるという人が見つかったため、スイス人カップルにはお礼を言ってここでお別れすることになりました。本当に、命の恩人です。

そこでは少し液漏れを起こしていた冷却水パイプの補修と、やはり前回と同じくディーゼルを直接タンクに流し込む方法で、なんとかエンジンを動かし、エンジンを冷やさないためのいろいろな方法を教えてもらいました。自分たちが使っていたダブルサイズの毛布を半分諦め、ハサミでジョキジョキ切ってエンジンをくるむ用にしたり、ビニールシートで車の前面をマスクのように覆ったり・・・。2時間毎のエンジン始動もやはり続けなくてはいけません。

この日は、なんと近くに小さなホステルがあり、とても安い料金でご飯を提供してくれ、寝泊りはもちろん車の中ですが、トイレや水道も貸してくれました。

 

そして次の日!デリカさん、無事にエンジンかかってくれました。

ここ何日か悩みの種にはなっているけれど、元気に動いてくれると思わず「グッジョブ!デリ子~~!!よしよーし」と話しかけている自分・・・かなり愛着が沸いてきているのでした ♪

 

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 (2017年9月)

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