ペットボトルでエンジンにディーゼルを注いでみる話
冷却液噴出し事件が勃発した次の日・・・晴れてはいるけれど、気温はだいぶ低い感じです。
今回はこちらの続き。
車の状態を確認するためにエンジンをかけます。
ブブブブブ
オートマなので、ブレーキを踏みながらキーを回すあの動作です。今までだとこのブブブブブのあとにブブーーンとエンジンが始動し、マフラーからバフーッと煙が出てくるはずなのですが、この日、ブブブブブから先に進みません。
4、5回繰り返すと今度はブブブブブと言うよりウィンウィンウィンみたいな弱い空回り音になってしまいました。
そして、、、バッテリー切れ。。。
ディーゼルエンジンのデリカさん、この標高と気温に勝てなかったようです。エンジンが冷えてしまった状態だと、かかりにくいことは分かっていたので、日が昇ってエンジンが少し温まるのをひとまず待つことにしました。
お昼を過ぎて再チャレンジしようと、まずは地元の人に声をかけて電力供給を依頼します。私はバッテリー上がりと言うと他の車を近づけてバッテリー同士を赤と黒のケーブルでつないで助けてもらうイメージでしたが、この時は地元のお兄さんが予備バッテリーを単体で貸してくれました。
再度エンジン オン!
ウィンウィンウィン。。。
全然ダメです。お兄さんに言われ、ブレーキではなくアクセルペダルをポンプのようにバスバス踏みながら試します。ブブブブ・・・かかりそうでかかりません。
ボンネットを開けて作業していると、ツアー客を運ぶバンのドライバーたちがわらわら集まってきました。国境でお客さんをチリ側の車に引き渡し、ウユニ方面へ帰っていく地元ドライバーたちがここを通って行くのです。
結局この日エンジンは動かず、選択肢として
・ウユニからエンジニアを呼んで見てもらう
・ウユニまで他の車にけん引してもらう
・ここで車(パーツ)を売って旅を諦める
・・・など、どれもあまり現実的でない(現実にしたくない)話が出てきました。。。完全にネガティブな空気になっていたので、わたしは無理やりそのへんを散策したり、ここまでで楽しかったことをノートに書き出したり(笑)何か物事が良い方向へ行かないか祈ったり(笑)していました。
車が動かないことには何もできないので、この日は温泉にも入ってみました。遠くにフラミンゴたちが見えます。
次の日、やはりこの集落を通過する地元ドライバーたちが何人か集まってきました。
中にはさすがウユニドライバー、いざという時に自分でメンテナンスを行う必要があるため、エンジニアのように豊富な知識を持っている人たちもいました。いろいろ見てもらい、どうやら燃料タンクからエンジンにディーゼルを送り込むためのポンプが作動していない様子。手動でポンプを押しながら、エンジンにペットボトルで直接ディーゼルを注ぎ込むというすごい方法で救命措置が開始されました。何度もトライしていると、
ブブブブブ
ブブブブブ ブオン ブオーーーン
久しぶりの音と共に!エンジンがかかりました!
マフラーからは周りの人ごめん!って言うくらい真っ黒な煙がモクモク。でもエンジンがかかった後のガタガタガタという車の振動がどれだけ嬉しかったことかTT
結局このあと何度か試してエンジンは動くようになり、オーバーヒートを防ぐためにサーモスタットを外し、なんとかウユニで本格的にメンテナンスをしてもらうまではもつかな。。。という状態になりました!
この日はエンジンが冷え切ってしまうのを防ぐため、2時間毎に起きて10分間ほどエンジンをかける、という作戦をとりました。アラームをかけて交替で世話・・・赤ちゃんの授乳状態です(笑)
この作戦のおかげで次の朝エンジンはかかりましたが、この後まだまだトラブルは続くのでした・・・!!
(2017年9月)